自分史づくり 7つのメリット

今では広辞苑に載るほど一般的になった自分史ですが、
なぜこれほど身近なものになったのでしょうか?

それは多くの人が、
自分史をつくることに意義を感じているからに他なりません。

ここでは、

自分史をつくることにどのような意義があるのか?

自分史づくりで得られるものとは何なのか?

代表的な7つのメリットを整理しました。

自分史をつくるメリットその1:
生きた証や自分の足跡を残せる

ひとつ目にご紹介する自分史をつくるメリットは、

ひと綴りの記録が、
あなたの子孫のもとに『永久に』残り、受け継がれていくことです。

自分史には、あなたが今まで生きてきた足跡や、
これまでの人生経験、大切な家族や友人への想いなどが収められます。

これまであなたが体験したことや人生経験から得た学び、
そして生きる知恵などは、あなたが生きた証であり、
お金では買えない尊い財産ともいえるものです。

自分史をつくることは、
あなたが人生で築いてきたこれらの財産を
子々孫々に相続することともいえるのです。

多くの脳科学者もいうように、人の記憶は曖昧で不確かなもの。
記憶だけに頼ってしまうと、
あなたとご家族の間にある数々の思い出も時間の経過とともに薄れ、
曖昧に変わっていくことは避けられません。

しかし、あなたの人生や想いを自分史という『記録』に収めれば、
それはいつまでも変わらず残り続けます。

さらには、
この記録をインターネットを通じて世界中に発信することも可能です。

たとえば、弊社で制作する自分史ムービーの場合、
あなたの自分史映像をデジタルデータでご納品します。

そのデータをYouTubeなどのインターネットメディアに載せれば、
世界中の人にあなたの姿や想いを伝えることができますし、
後世、あなたが語った内容が、
歴史的な研究の対象になるということだってあるかもしれません。

自分史をつくるメリットその2:
客観的に自分を理解できる

自分史をつくるメリットの2つめは、
客観的に自分を理解できることです。

自分史をつくるときには、これまでの人生を振り返ります。

・過去の重要な出来事にどのようなことがあったか

・それらに直面したときにどんな感情になり、どういう反応をしたのか

などを、あらためて振り返っていくと、

自分の人生を「一連の物語」として客観的に捉えられ、
「自分」と「自分の人生」への理解が深まっていきます。

人生の棚卸しともいえるこの整理を行うことで、

・どんなことに自分がこだわり、大切にしてきたのか

・大事な判断のときに優先してきたものは何なのか

といった自分の軸とも呼べるものが確認できることも
自分史づくりの副産物のひとつです。

客観的に自分の人生を捉えなおすことによって、
過去の出来事の意味づけが変わり、
前向きで穏やかな心境にいたる人も少なくありません。

改めて自分の歩んできた道を辿ると、
マイナスに捉えていた出来事が、
実は人生にプラスの影響を与えている大切な経験だったと
気がつくことがあるのです。

例えば、

辛く苦しい体験や失敗だと思っていたことが、
今の自分をつくる糧になっていたと気づいたり、

恨みや憎しみをおぼえるような人との出会いが、
人との接し方を改める転機になっていたとわかるなど、

過去の出来事を前向きに捉えられるようになり、
ネガティブな気持ちが消えていくことは、
人生の棚卸しを行って自分史をつくることの
大きな意義のひとつと言えるでしょう。

自分史をつくるメリットその3:
感情がほぐれ、心が癒される

自分史をつくる3つめのメリットとしては、
感情がほぐれ、心が癒される効果があげられます。

生きていれば誰にでも、
苦しかった経験や辛かったことのひとつや二つはあるでしょうし、
長い間、心の片隅にしまっておいた罪の意識や、
心のわだかまりのようなものもあるでしょう。

心に横たわっているマイナス感情は、
自分史という人生の物語のなかで語られることによってほぐれ、
心の癒しにつながります。

『話すは放す』といわれるように、
ひとりで抱えて思い煩っていたことを思い切って人に話したら
心が晴れた経験を誰もがもっていることでしょう。

人生のストーリーを語ることにも、
わだかまった感情を手放して、
自分自身が納得できる気づきを促す効果があるのです。

これの仕組みは、
フロイトが発見した精神分析療法の理論と同じだといわれます。

自分史をつくるときには、
今までの出来事や当時の心境をふり返るため、
今の自分がどのようにできあがったのかが客観的に理解できます。

これはまさにフロイトが示した、

心のなかの傷になっている部分を見つめて、
その心の傷の存在によって自分の心に癖や歪みが生まれていたと気づいたときに、
その癖や歪み自体が消えていく

という理論そのものです。

実際に、自分史づくりを終えた方々の表情は穏やかで、
多くの方が「自分史をつくったことで心地よく前向きな心持ちになれた」
という感想を口にされることは、
自分史をつくることが心の癒しにつながることの表れだと言えるでしょう。

自分史をつくるメリットその4:
前向きな力が得られる

自分史をつくることによる4つめのメリットは、前向きな力が得られることです。

前項では、
自分史をつくると人生全体を客観的に見渡せて、
マイナスだと思っていた出来事が
自分にプラスの影響を与えてくれていたことに気がつけること、
さらには、自分の軸ともいえる価値観が確認できることをお伝えしました。

このように過去の出来事に対するネガティブな感情が薄らいで、
自分の軸が定まってくると、
人の心には前向きな気持ちが湧いてきます。

人生を振り返ることで得られる前向きな力はこれだけではありません。

今までの自分と自分の人生に対して、自信や誇りを持てるようになるのです。

これは今までの何十年をまとめて振り返ることで、
たくさんの努力を積み重ねてきたことや、
困難な状況を克服してきたことに気がつくことができるからです。

日々の小さな努力というのは、
成果を実感する機会がなかなかありませんが、
何十年という総括がまとまると、
自分が成し遂げたことの大きさを実感できるものです。

例えば、ある飲食の女将(Nさん)は、
毎朝5時前に起きて、部活に勤しむ子どものお弁当づくりを続けました。

夜遅い時間に帰宅し、早朝からお弁当をつくる。
そして、笑顔で子どもを送り出す。

この生活を12年。

振り返って、3000食以上のお弁当を作り続けたことに気がつくと、
自分を褒めてあげたい気持ちや、
自分の人生を誇らしいと思える感覚がわいてきたといいます。

このように、一つひとつは小さなことでも、
自分史づくりを通じて人生全体を振り返ったとき、
人はその努力や成果の大きさを実感することができ、
新たな自信や前向きな活力が生まれるのです。

自分史をつくるメリットその5:
脳の活性化になる

5つめのメリットは、自分史づくりが脳の活性化に役立つことです。

自分史をつくる過程では自分の歴史を思い出し、
それらが人に伝わるように書いたり語ったりします。

眠っていた記憶を思い出したり、話しをまとめることは、
普段つかっていない脳の回路を繋げるなどの運動にもなるため、
脳の活性化・老化予防につながりますし、
認知症の予防にも効果があるといわれます。

高齢者向けの施設やイベントでは、
古い生活用具や若いころに流行していた映画や音楽などを見ながら
思い出話を語り合う時間が設けられますが、
これも同じ仕組みを活用した認知症予防の取り組みです。

この取組みは「回想法」と呼ばれ、
1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラー氏によって提唱されました。
欧米や日本の医療現場では認知症の予防としてよく知られている心理療法です。

回想法では、
人間の脳は連想記憶になっていることを活用し、
過去を思い出すためのきっかけを見せたり聞かせたりすることで
忘れていた記憶をよみがえらせることを促します。

自分史をつくるときも、
歴史年表や古い写真、日記などを見返し、
それらをきっかけに過去の出来事や当時の情景を思い出していきます。

そして、思い出した様々な出来事を
ひと綴りの物語にまとめて、
他の人に伝えていくことが自分史づくりの一連の取り組みです。

この一連の作業は楽しく、脳に良い刺激を与えてくれるため、
脳の活性化のためだけでなく、
認知症を防ぐための取組みとしても推奨されています。

自分史をつくるメリットその6:
お金で買えない財産の継承になる

自分史をつくる6つめのメリットは、
あなたの人生経験や、そこで得た学びや知恵といった、
お金では買えない財産を大切な人たちに継承できることです。

あなたの職業や生活環境がどのようなものであっても、
あなたは人生で多くのことを経験し、
そこで得た人生訓や規範の数々は貴重な説得力を持っています。

特に、あなたのDNAを受け継ぐご家族にとっては、
あなたの経験は教訓に富み、特別な意味があります。

なぜなら、あなたのお子さんやお孫さんには、
あなたと似た感性や考え方、行動パターンなどが
根源的に備わっているため、
あなたの成功パターンや失敗パターンは、
ご子息にとって再現しやすいものなのだからです。

世の中にはたくさんの教訓的な情報がありますが、
それらは必ずしも全員に当てはまるものとは言えません。

家庭環境や経済的な背景、顔かたちや気質などの要因が違えば
「それは○○さんだからうまくいくんだよ」
ということにもなりかねません。

一方で、
あなたとご家族の間には共通していることがたくさんあるため、
あなたの人生経験の中には、
お子さまたちにとって使える傾向と対策が数多く含まれます。

自分史を通じてお子さまや孫、子々孫々に継承される
知恵や学びという財産は、
あなたの大切な方々を失敗から遠ざけ、
幸せで豊かな道を歩んでいく道標になってくれることでしょう。

自分史をつくるメリットその7:
家族との絆が深まる、理解しあえる

自分史をつくることの7つめのメリットは、
家族の絆が深まり、理解しあえるということです。

意外に思われる方もいるでしょうか?

自分史が完成すると、自然な流れで家族が手に取ります。
弊社がお手伝いしているような自分史ムービーであれば、
ほとんどのご家庭で試写会が催されます。

そのとき多くのご家族は、
今まで知らなかったあなたの姿や思いを知り、
あなたへの理解が深まります。

家族のことは、
知っているようで案外知らないことが多いもの。

近すぎて話せないことや話しづらいことがあるのが
ありふれた家族の姿です。

例えば、71歳のTさん(男性)は、自分史をつくるときに言いました。

「妻には、結婚前のことをほとんど話してこなかったし、
子どもたちには全くといって良いほど話していません。」

「今回、私の自分史ムービーを見て、
はじめて父や夫という役割以前の、生来の私の一端を知るんだと思います。」

そして完成後の試写会で奥さまは涙を流され、
上映後はあたたかい空気につつまれました。

穏やかにお互いの本音を語りあう時間が増えたそうです。

73歳のSさん(女性)は自分史ムービーをつくって、
こう振り返っています。

「はじめは、私の人生なんて・・・と思っていたけれど、
完成品を見て、まんざらでもないかなって思いました。 」

「出来上がってから、夫と2人で何度も見ました。
見ていて途中で泣けてきました。夫も私も、泣きながら笑ってました。
自分の人生なのに、見ているだけで人生が深まる気がして不思議でした。」

このように自分史がきっかけで親子や夫婦間の理解が深くなることは、
お子さまが抱く感想のなかにも表れます。
Tさん(66歳)の息子さんからはこんな感想が寄せられました。

「今まで聞いたこともなかったような話や、家族も知らなかった父の想いが聞けました。」

「ふだんから顔を合わせていて、なんとなくお互いのことを知っているつもりでしたが、
実際は、ほとんど父の人生を知らなかったことに気がつきました。 」

「今までと父が違って見えるというか、なんとなく身近な存在に感じるようになりました。」

身近な人に理解してもらうことや、
大切な人と理解しあうことは、
すべての人の願いともいえるものです。

あなたの人生を語る自分史によって、
大切な家族は、
あなたへの深い理解へ導かれます。

家族があなたをより一層理解することや、
その理解をきっかけにして
家族がさらに身近になる対話がはじまることは
多くの方に知って頂きたい
自分史づくりの意義のひとつです。

この記事のまとめ

自分史をつくる意味
~自分史づくりで得られる7つのメリットとは?

  1. 生きた証や自分の足跡を残せる
  2. 客観的に自分を理解できる
  3. 感情がほぐれ、心が癒される
  4. 前向きな力が得られる
  5. 脳の活性化になる
  6. お金で買えない財産の継承になる
  7. 家族との絆が深まる、理解しあえる

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