そもそも自分史とは?
by jkobo ·
改めて、自分史とはいったい何なのか?
自分史という言葉は比較的新しいため、
受けとめる人によってイメージも様々です。
ここでは、そもそも自分史とは一体どういったものなのか?
その定義から確認をしていきましょう。
自分史の定義と発祥
自分史の定義
広辞苑(第六版)によると、自分史は以下のように定義されています。
平凡に暮らしてきた人が、自身のそれまでの生涯を書き綴ったもの。自伝。
自分史の発祥
広辞苑に掲載されるほど自分史という言葉は身近になりましたが、
その言葉から抱くイメージは人によって様々なのが現状です。
この理由としては、自分史という概念が登場してから、
まだそれほど時間がたっていないことが考えられます。
では、自分史という言葉が初めて世の中に登場したのはいつ頃なのでしょうか?
自分史という言葉が初めて使われたのは、
1975年(昭和50年)といわれています。
この年に歴史家の色川大吉氏が著した『ある昭和史 ~自分史の試み』で、
自分史という言葉と考え方が初めて示され、
第一次自分史ブームの幕が開きました。

こうして定義を比較すると自叙伝と自伝は同じものと捉えて良いことがわかります。
自分史と自叙伝・自伝は、どのように違うのか?
それでは、自分史と自叙伝・自伝の間にはどのような違いがあるのでしょうか?
それぞれの定義を改めて比較すると、
自分史は、書き手が「平凡に暮らしてきた人」となっているところが違いだとわかります。

自分史の書き手が平凡に暮らしてきた人であれば、
自叙伝・自伝の書き手は特別な生涯を送った人ということでしょうか。
たしかに自叙伝や自伝といえば、
政治家や会社経営者など、いわゆる功成り名を遂げた人や
特殊な才能に恵まれた人が書くというイメージが一般的です。
内容も、地位や名誉、財産などを築きあげるまでの苦労話や
サクセスストーリーが中心に据えられ、
そういった点からも自叙伝や自伝は特別な人のものと感じられます。
そこに、10数年前から終活という言葉が一般的になり、
それにともなって自分史も市民権を得るようになりました。
自叙伝や自伝というと大げさな感じがしますが、
自分史なら書けそうと感じる人が増えたのでしょう。
一般の方々が気楽にペンを取るようになりました。
大きな会社を経営したり特別な功績をあげた人でなくても、
すべての人の人生には、人に伝えるべき価値があるものです。
自分史は、人生のあしあとを伝え残したいと思う人や、
大切な家族や友人への想いを伝えたい人の良き受け皿となり、
すべての人の人生や大切なことを伝える役割を担っています。